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2011/10/1: Pinch, Dash and Splash! [2]

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今日は前回の続きです。日本語での『少々』や『ひとつまみ』がどれくらいを指すかはお分かりいただけましたよね。(前回記事を読んでおられない方は『Pinch, Dash and Splash! [1]』をどうぞ) 今回は英語表現とそれらに対応する日本語について書きます。

Pinch, Dash and Splash...

前回の簡単なおさらいです。アメリカ英語では曖昧な少量を表すのに以下のような表現を使用します:

  smidgen < pinch < dash < splash < dab < handful

まずpinch。これは非常に少ない量であえて数値化しますと小さじ1/16程度と言われています。次にdash。これがレシピで最も多く見られる表現ではないでしょうか。数値化しますと小さじ1/8程度。splashは液体について使用され大さじ1杯程度、dabはバターや味噌のように粘性の高いものについて使用され大さじ1杯程度、handfulは固体(手でつかみますから)について使われ1/2カップ強です。同じ「片手につかむ量」のおおよその感覚が日本人の倍ということになりますね。手の大きさの違いでしょうか...?

『ひとつまみ』の英訳は『PINCH』???

ここでもうおわかりかと思いますが、多くの(ほとんどの?)和英/英和辞書に記載されている「ひとつまみ」=「(a) pinch」の量が全然あいませんね。英語でひとつまみにぴったり一致する表現はないのですが、それでもpinchよりdashのほうがずっと近いということがおわかりいただけると思います。実際には「two dashes」というところでしょう。また上述のとおり、レシピにおける『ひとつかみ』を直訳して『handful』とすると倍の量を入れてしまうことになってしまいます。残念ながら、多くの辞書では(そして料理用語英訳の解説においてさえ)『ひとつかみ』を『handful』に直訳しているようです。

細かい数字がたくさん出てきましたので英日の対応が混乱してきましたね。最後に表にまとめてみます。

日本語 英語 目安量
smidgen 小さじ1/32
ごく少々 pinch 小さじ1/16
少々 dash 小さじ1/8
ひとつまみ 小さじ1/4
少量(粉状)
少量(液/粘性) splash 大さじ1
dab
ひとつかみ 大さじ2
handful 1/2カップ強(120cc)

英語表現の実際の使用方法ですが、材料表においては冠詞などは省略することが多く、単に『pinch salt』と記述されます。もちろん『a pinch of salt』と書いても大丈夫です。レシピ文中に出現する場合は省略せずに『Add a pinch of salt』などと記述されます。

最後に、今回あげた数値はあくまで一つの目安です。大事なことは、ひとつまみよりも少々のほうが少ないという順列や、日本語と英語の直訳はレシピでは通用しないということをおぼえておくことではないでしょうか。


写真:shot by Cape Daisee, on Seot. 29th, 2011. IKEAで食べた99円のアップルケーキ




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